
凹凸が良く判る国土地理院の赤色立体地図で見た比叡山
右の黒線がが坂本ケーブル、左の黒線が叡山ケーブルとロープウェイ(細線)
以前から「いつかはやってみたい・・・」と思っていた、ケーブルカーを乗り継いで比叡山を超えて京都に行くというのをやってみました。特に京都側の叡山ロープウェイとケーブルは今回が初めての利用です。
先ずは坂本ケーブルで比叡山へ
京都側、大津側どちらからスタートするかですが、歴史的には比叡山延暦寺の表参道は坂本の日吉大社横からに上がる本坂(ほんざか)なので、今回は東側の坂本ケーブル(正式名称は比叡山鉄道)からスタートすることにします。まあ、家から近い、山を降りた後、京都で旨いもので一杯・・・という俗な理由が本音ではありますが。

ケーブル坂本駅 左手のバスはJR比叡山坂本駅とケーブル坂本駅を結ぶ連絡バス

車両は「縁号」と「福号」の2両で、今回乗車したのはこの「福号」
総延長2025mある坂本ケーブルは現在日本で最も長いケーブルカーで、坂本駅の標高が170m、延暦寺駅の標高が654mで標高差484m、計算すると平均勾配は246‰(1mで24.6cm上る)でした。全線の所要時間は約11分で、途中「ほうらい丘」と「もたて山」の中間駅がありますが、これらの駅は「申告があれば停車」とのことで、この日は通過扱いでした。
また、ケーブル坂本駅舎、延暦寺駅舎ともに登録有形文化財となっており、特にケーブル延暦寺駅の2階は建設当時の写真を含む展示物があったり、ベランダからの眺望もなかなか良かったです。

駅舎2階の展望ベランダから琵琶湖大橋方面を望む
延暦寺とガーデンミュージアム比叡
ケーブル延暦寺で下車した後、徒歩数分の東塔バス停から比叡山頂バス停までバスに乗り(ドライブウエイなので徒歩通行は禁止)、延暦寺をスルーしてロープウエイとケーブルですぐ山を下りるという事も可能ですが、それはやっぱりあんまりやねえ・・・ということで、先ずは比叡山延暦寺にお参りをします。
ただ、延暦寺の最大の見どころ?というか、本堂である根本中堂は2027年末まで大改修中(改修中の屋根などは見学できる)なので、東塔、阿弥陀堂、大講堂でお参りし、萬拝堂にある「不滅の放蕩もとい法灯」にも手を合わせておきます。
参拝のあとは萬拝堂の階下にある坂本鶴喜蕎麦の支店?で食事。延暦寺は宗教施設なので、葷酒はまずいとは思いますが、観光地として見ると「食事が出来るのは蕎麦屋しか無いのか・・・」といった感じはありますね。

比叡山上ではバスで移動
偶々やってきたのは三条京阪から比叡山上まで直通の京阪バスだった
お参りをして心身清められた?ので、午後は比叡山上バスで比叡山頂に向かいます。山頂バス停からロープウェイ駅に直行することも可能ですが、折角なのでガーデンミュージアム比叡に寄ることにしました。
ガーデンミュージアム比叡は、1959年にできた比叡山頂遊園地が元になっており、2002年に季節の花と名画の陶板画レプリカが楽しめる今の施設に改装されました。大津市内からでも目だつ円形の展望閣は遊園地時代からの施設で、昔は床が回転し、座って360°の視界を楽しめたそうです。
ガーデンミュージアム比叡になってからも既に四半世紀が経っているので、全体的に多少くたびれた感は免れませんが、延暦寺から来ると俗世に戻った安心感?もあり、カフェ・ド・パリという名前のカフェで、おフランスの雰囲気?で一服することもできます。

ガーデンミュージアム比叡にある、いかにも昭和の展望閣からは
少し霞んでいたが京都市内が見える
叡山ロープウェイとケーブルに乗車
いよいよ下山。先ずはガーデンミュージアム比叡のある、四明岳(しめがたけ)の叡山ロープウェイ比叡山頂駅から、叡山ケーブルと連絡する比叡駅まで下ります。このロープウェイはゴンドラ2つの交走式で全長486m、標高差136m。計算上の勾配は291‰で、所要時間は3分です。
この叡山ロープウェイ・叡山ケーブル共に嵐電と同じ京福電気鉄道の運営で、きっぷには同社の名前がありました。因みに以前は出町柳と鞍馬・八瀬を結ぶ叡電も同じグループ会社だったのですが、叡電は1986年に叡山電鉄として分離・独立し、今は別会社となっています。

ロープウェイは全長486mと短く、最初から先方に山麓側の比叡駅が見える
比叡駅では50m程歩き、少し階段を上がってケーブルカーに乗り換えます。
叡山ケーブルは延長1.3km、比叡駅と八瀬駅の標高差は561mと、日本一高低差のあるケーブルカー路線で、平均勾配は479‰(延長1300mとして計算)、最急勾配は530‰とあります。乗車時間は9分ですが、確かに乗車していると高度がどんどん下がるのが実感できました。
なお、叡山ケーブルカーの開業は1925年12月で、開業100年記念で2026年3月にロープウェイとあわせて内装がリニューアルされていて、とても綺麗な車内になっていました。

山上方面に向かう行き違いのケーブルカー
開業100年の副票が掲示されている
最後は「ひえい」で出町柳へ

今回の締めくくりは叡電の観光列車「ひえい」
楕円は「神秘的な雰囲気」・「時空を超えたダイナミズム」とか。。。
初乗りのロープウェイ、ケーブルを乗り継いで、標高130m程のケーブル八瀬駅に無事到着。5分程歩いて叡電の八瀬比叡山口に向かいます。
同駅から出町柳までは僅か13分の乗車ですが、比叡山大横断?の締めくくりとして、叡電の誇る観光列車「ひえい」に乗ることにします。ロングシートとは言うものの、独立したバケットシート、縦長の楕円窓、落ち着いた雰囲気の車内と、電車を1本や2本やり過ごしても待つ価値はありました。(個人的意見です。。。)
なかなかおもしろかった比叡山横断
比叡山横断は、琵琶湖を眺めながら鉄橋やトンネルもある坂本ケーブル、急勾配で山頂から一気に下る叡山ロープウェイ・ケーブルと、2つの「日本一」のケーブルカーに乗車し、同じルートでの往復に較べ、変化に富んだ旅行が楽しめました。また、延暦寺やガーデンミュージアム比叡に加え、いずれのケーブルやロープウェイ、比叡山上バスも平日にも拘わらず外国籍と思われる観光客含めてそこそこの利用があったので、根本中堂の修復が終わればもっと賑わうかも知れませんね。
今回、私が行った坂本からのルートだと使えないのですが、叡電側からの乗車だとガーデンミュージアム比叡の入園券まで含まれる比叡山横断チケットがあり、たいへんオトクに楽しめますのでケーブルカー好きにはオススメです。(但し冬季は叡山ケーブル・ロープウゥイが運休になるので12月6日まで)