
オリジナルの固定イメージ(左側)。 右側も寸法は若干異なるがほぼ対称の構成。
本体側の蝶番は端部の1か所が天板と共締め、残り2箇所は底カバーに固定されている。
ヒンジ金具の垂直部分の奥に蝶番の連結軸がある。
本体側の蝶番は端部の1か所が天板と共締め、残り2箇所は底カバーに固定されている。
ヒンジ金具の垂直部分の奥に蝶番の連結軸がある。
自宅にあるLenovo G570の蝶番部分が壊れてパネルがグラグラになり、天板が少し浮き上がってしまいました。 当初は「画面を折り畳まないで、ずっと開いたまま使おう」と考えたのですが、視点調節などでやはりパネルは動かすのと、他に断線等が起こってもいやなので、思い切って修理することにしました。 幸か不幸かLenovo G570 ヒンジ修理(あるいはhinges repair)で調べると「安く修理します」という広告含めて数多くヒットしましたので、ここらのサイトを見ながら自分でやってみることにしました。
このヒンジ部分は上の図の様に3か所で固定されてはいるのですが、埋め込みナットと書かれている部分がちゃちで、自宅のG570もこのあたりが破損しているらしく、プラスチックのカケラの様なものが落ちてきます。
先ずは先程のサイトや、YouTubeの映像などを見ながら分解して破損状態を確認します。 分解は特に難しくはありませんが、HDD(2個)や光学ドライブ(1個)、冷却ファン(3個)のユニット固定ネジ、天板固定ネジのうち光学ドライブの上にある部分(2個)、バッテリーの上にある部分(4個)、HDDの上の部分(2個)、冷却ファンの上の部分(1個)はネジの形状が違いますので判るように別に保管しておきます。
最後にLenovoの封印のある「禁断のネジ」を外した後、キーボードやケーブルを外し、天板を取り除くと破損状態が見えてきます。

天板が浮き上がっていた左側。
Aは天板の埋め込みナットが台座ごと剥がれ、底カバー側の台座aも中央で割れていた。
B、Cは埋め込みナットごと蝶番にくっついている。 本来このナットはb、cに埋まっているものだ。
まず左側ですが、本来は天板と共締めされるAの部分は底カバーの台座aが破損、天板の埋め込みナットも破損と想像以上の酷い姿でした。 もちろん、B、Cのネジもb、cの埋め込みナットが底カバーからは剥がれてしまい、よく見ると底カバー側の台座にもヒビが入っています。

特に天板が浮き上がっていなかったので大丈夫と思っていた右側。 こちらも酷い状況だった。
左同様A、Bは埋め込みナット部分ごと蝶番にくっついている。
右側は天板と共締めになるCネジだけは唯一生き残っていましたが、A、Bの2箇所は左側同様埋め込みナットが底カバーから剥がれています。 特にa部分は台座の損傷が酷く、ヒンジ金具を水平に取り付けられるかどうか不安な状況です。
前出のサイトでも修理の方法は似たようなものですが、前出のサイトで使われていたM2.6のネジが手元に無かったのでM3を使うことにします。 蝶番の穴はΦ3mmより少し小さいので、丸ヤスリなどで穴を少し広げます。
次に底カバーの方は左のb、c、右のa、bの台座にΦ3.2mmドリルで貫通穴を空けてしまいます。 因みに右bの下にはゴム足が有るのでこれは前もって外しておきます。
悩んだのは左のaです。 天板側の埋め込みナットが既に無くなっているので共締めはもう不可能ですし、底カバー側の台座も壊れてしまっています。 かといって固定しないと蝶番の固定が片持ちになり非常に不安定なので、何らかの方法で固定することを考えなければなりません。 また、この部分は天板の上にすぐ液晶パネルが折り畳まれるので天板の上にはネジの頭を出すのも具合悪そうです。
思案の結果、この部分での天板と底カバーの固定は諦め、下図左端の様に台座部分を一部破損したカケラを接着して修復して高さを確保した上で、破損部を押さえつけるように底カバーとの間を手元にあったM2の長いネジで締め付け、蝶番と底カバーを固定することにします。 尚、M2にしたのは底カバーからはみ出る高さを少しでも抑えるのと天板への当たりを避ける為です。
また、右側aの台座損傷部分はスプリングワッシャを3枚程挟んで水平が保てるようにしました。

修理のイメージ。 左側ヒンジのAは図の一番左、右側ヒンジのAは図の中央の様に修理、
その他は図の一番右の様に修理した。
ドリルやヤスリまで登場する、およそパソコンの修理とは思えないような状況で3時間程、ネジが丸見えで多少見栄は悪くなりましたが、こうしてG570は再び液晶の折り畳めるノートパソコンに復旧しました。

苦心惨憺の左側裏面。 一番左の大きなワッシャがかつてのネジ穴を覆っている部分。
HDDカバーにも少し切り欠きを入れてワッシャとの干渉を避けた。

右側裏面。 ゴム足の裏面をネジの頭分少し切り取ってやればそれ程目立たない。