
早いもので12月。 紅葉の季節もそろそろ終わりです。 今年は電車&紅葉を期待して三輪山(JR桜井線)と二上山(近鉄南大阪線)というどちらも神様が宿ると言われている場所を訪問しましたが、結果は一勝一敗。 紅葉の写真も神様のご加護が無いと結構難しいなあ。。。というお話です。
「人事を尽くして・・・」とはいささか大層ですが、鉄道写真を撮りに行く場合は次のような前準備をします。 こうして列記してみると結構理系の作業ですね。
1)15分やそこらに一本列車がくる様な場合は別にして、先ず特急や貨物列車、或はお目当ての特別な列車の通過時間などを調べます。 列車が最寄り駅には停車しない場合も多いので、そのときは時刻表から上図のようなダイヤグラムを作り、駅間距離比例で凡その通過時間を推定します。
2)地図で撮影場所のあたりをつけ、駅からの経路などを調べます。 最近は詳細な地図や航空写真、等高線のある地形図、さらにStreet Viewが提供されるGoogle Mapを使用することが多いです。
3)線路の方向と列車の通過時間から、順光(正面や側面に陽があたる)か逆光になるかを太陽の方位を調べるサイトで確認します。 一日に何度か撮影チャンスがある場合はこの情報を基に列車を決めることもあります。
4)天候については撮影時間の天気はもちろんですが、雨あがりなどは見通しも良いので前日の天気や湿度、春だと黄砂の情報などもチェックします。 ここはもう「運を天に任せる」範疇とも言えますが、特に山や海等の遠景を期待する場合は無駄足にならない為にも重要なステップです。
以上の様な準備をして出掛ける訳ですが、現地ではいろんな伏兵があります。
1)時期が早すぎ/遅すぎる。 桜などの花も紅葉も、その年によって微妙にベストシーズンは動きますし、こちらの休みの都合というのもあります。
2)架線柱、架線以外の通信線、信号や継電器箱などの鉄道構造物、線路脇の雑草等。 電化路線の架線柱は仕方無いとして、最近は最後の「線路脇の雑草」に悩まされることが多いような。。。 そんなところに人手はかけられないという事でしょうか。
2)地図や航空写真で確認できなかった(見過ごした)建物、電柱等。 特に線路手前の電柱というのが厄介です。
3)農作業の機材やそれを覆うブルーシート、秋口の田圃の稲わらやもみ殻の焚火など。 もちろん農家の方には大事な作業で季節の風物詩として捉えることも出来ますし、こちらは撮影させて頂く立場とはいうものの辛い場合があります。
4)お天気。 「晴れ」といっても太陽が少し雲に隠れたりすると条件が変わります。(もちろん必ずしも悪い事とはいえません)
まあ、いろんな条件下でも何とか満足のいく写真を撮影できるのが「腕」と云われればそれまでですが、逆に全て上手くいった場合は「腕」に関わらず満足度の高い写真が撮れる訳ですから、やはり「天命を待つ」要素は大きいと思います。

曇りという程ではないが陽が陰るとこんな感じ

時間が経って日射の方向は少し悪くなったが、晴れるとやはり彩度が違う